睡眠コラム~そもそも睡眠の目的

仕事もスポーツも、家庭も趣味も、人生何もかもが起きている時が勝負だと思っている方も多いと思います。確かに、なにか行動を起こすのは全て起きている時です。
しかし、その起きている時に最高のパフォーマンスを発揮するためには、絶対に忘れてならないのは『睡眠』です。
一流のプレーヤー、アスリート、ビジネスマン・・・彼らは睡眠を重視しています。それは、睡眠の目的を理解し、睡眠の質がパフォーマンスに与える影響を知っているからです。

ちゃんと理解すべき睡眠の5つの目的は次のとおりです。

1.脳と体の休息と機能回復

起きている時に使った脳と体を休めることで、機能を回復させます。脳も体も完全にスイッチがオフになるわけではありませんが(パワー0%だったら死ぬので)、休息させて機能回復のための働きがなされています。

睡眠時は、交感神経にかわって副交感神経が優位になることでリラックスモードになります。この時、心拍、血圧、血流、呼吸などは緩やかになり、脳ではストレスを取り除くアルファ波が出現します。

朝起きたらやたら目ヤニが溜まっていたり、ニキビが出来ていたという経験もある方も多いと思いますが、老廃物の排出も促されます。

2.記憶の定着

たしかこんな実験がありました。暗記をしてずーっと起きていた人と、睡眠をとった人ではどちらがより多くの記憶が残っているかというと、睡眠をとった人の方がより多くの記憶が残っているというのです。

入眠直後に最も深いノンレム睡眠になりますが、その時に海馬から大脳皮質に情報が移動し、記憶が保存されると言われています。また、嫌な記憶や不要な記憶も最初の一番深いノンレム睡眠で消去されます。

受験勉強などには勉強の量も大切ですが、睡眠とのバランスも大切ですね。

3.ホルモンバランスを調整

脳はホルモンバランスをコントロールしており、睡眠時には多くのホルモンが働いています。また、睡眠と密接に関係のあるホルモンもあります。

たとえば、睡眠を制限すると食欲を増すグレリンというホルモンが分泌されます。夜ふかしをするとお腹が減るのは、誰でも経験しているでしょう。太るもとですね。

また、成長ホルモンは最初の深い眠りであるノンレム睡眠時に、最も多く分泌されると言われています。(しかも、おおむね22時から2時の間に出るとも言われています。)
成長ホルモンは筋肉や骨を強くする他、代謝や肌の水分にも関わります。
生殖や母性行動に関与するプロラクチンというホルモンも、最初のノンレム睡眠で多く分泌されます。

これらの事を踏まえると、睡眠不足は女性の大敵というのが分かりますね。

 

4.免疫力をUP

免疫はホルモンバランスとも大きく関わっています。睡眠不足でホルモンバランスが崩れれば、免疫力が低下してしまいます。休息の意味もありますが、『風邪は寝て治す』と言うのは理にかなっているのです。
生涯に渡って元気でいるためには、食事や運動などとともに睡眠もとても大事な要素の一つなのです。



5.脳の老廃物を排出

脳は頭蓋骨の中で脳脊髄液という液体に浸っています。脳脊髄液は脳や中枢神経に栄養を供給するほか、老廃物を回収する役目も果たしています。
脳を休ませている睡眠中にも、脳脊髄液は老廃物を回収します。

マウスを使った実験で、睡眠を制限するとアルツハイマーの原因物質の一つであるアミロイドβがたまりやすくなったことが分かりました。アミロイドβは、眠っていれば正常に分解・排出されて蓄積しないはずの老廃物です。

睡眠をしっかりとって、老廃物の排出に努めたいですね。

 

睡眠の具体的な目的をご理解いただけたでしょうか。眠くなったら寝るのでなく、積極的にいい睡眠をとることで脳や体の健康を目指していきたいですね。
次の章では、睡眠で本当に大切なことをお伝えします。

第2章 大切なのは最初の90分?